2014年6月23日月曜日

マカッサル(2014年6月14日〜17日)


Makassar
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滞在期間:2014/06/14 -17
アクセス:Tana Torajaから、バスで11時間(Metro Bus, IDR120,000)
     Jogjakartaへ、飛行機で2時間
          ※市内から空港へはDamri社バス(Jl. Ahmad Yaniから乗車、IDR15,000)
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 タナトラジャからマカッサルへは、昼のバスで移動しました。夜行バスのほうが利点は多い(早い、日中の時間を無駄にしない、宿泊費が浮く等)のですが、体力的にしんどいのと景色を見たかったので1日のんびりバス移動を選びました。風景は見られましたが、9時にRantepaoを出発しMakassarに到着したのは20時。夕方からは渋滞に巻き込まれました。
バスの中から。

 マカッサルは大きい町です。市内の観光スポットは少なく、3日間たいしたことはしませんでした。市内から40kmくらい北東にはBantimurungバンティムルンという公園があり、かのウォーレスもここで蝶の採集をしたといいます。ウォーレスには興味があったのですが結局行きませんでした。トラジャでおなかいっぱいだし、マカッサルでは蚊が多くて眠れず睡眠不足、交通量も多いので、ひやひやしながらの往復2時間はちょっときつそうだったのです。それと暑くて面倒になりました。せっかくなんだから行かなきゃもったいないけれど、自粛。カフェで本を読んで、海辺で夕陽が沈むのを眺めて、それでおしまいです。

・ロッテルダム要塞
開場時間 7:30-18:00
入場料  無料(博物館ではそれぞれ外国人IDR10,000、インドネシア人IDR5,000)




 マカッサル市内で唯一観光スポットらしい場所。王国時代につくられた砦をオランダが要塞にしたそうで、ジャカルタのコタ地区にある海洋博物館の建物(旧東インド会社の倉庫)なんかに似ています。国内外からの訪問者で賑わっていました。
 建物内部は博物館があって、マカッサルの歴史やブギス人、マカッサル人、トラジャ人の風俗に関する展示がありました。






王国の旗はセンスにあふれていました。結構好きです。

あとは海岸近くの写真です。



さすが、水牛愛はここにもありました。

マカッサルはシーフードも美味しいようですが、自分はスープばかり食べていました。水牛のスープだけで何種類もあるのです。
これはcoto makassarチョトマカッサルと呼ばれるもの。味付けは薄め、唐辛子ペーストsambalとすだちjeruk nipisをお好みでつかいます。左にあるのはketupatというごはんをヤシの葉(?)につつんで成形したもの。
これはsop kikil。あばら骨を煮込んだもので、かなり脂っこかったです。
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一か月半にわたる旅行も、これでおしまいです。

なんだかあっけないものの、ジョグジャに帰ってからも生活は続くのであまり無茶な冒険はしたくありません。とはいえ自ら刺激を求めにいかなくても、旅先の日常というのはどこかしら劇的なものがあります。


まずは、ここまで。


@Jogjakarta, Indonesia

タナトラジャ(2014年6月7日〜14日)③

▼お墓、トンコナンハウス

(1) Lemo
 ペテペテ(あるいはアンコタ、乗り合いタクシー、toyota kijang)にのってお墓巡り、第一弾はレモLemoです。

門を目印にペテペテを降りて、そこから道なりに歩いていきます。

途中でなにやら建設中なのに出くわしました。こんどの土曜(6月21日)にお葬式があるんだ〜とのこと。さすがお葬式ハイシーズン。
舟形で有名な伝統家屋・トンコナンハウスもあります。

目当てはこちらのタウタウ(死者人形)

完全に目が据わっている、う〜んなかなか。トバ湖のサモシール島、シマニンドでみたバタック族の踊りで、最後にでてきた操り人形踊り(シガレガレ)を彷彿とさせます。
お土産も販売しています。


(2) Londa
こちらも看板を目印にペテペテを降り、道なりに進んでいきます。

天然の洞窟がお墓として利用されています。

ここでもタウタウと棺桶。新しいものは数十年前、古いものだと数百年前のものだと言っていました。

ランタン(+セットでガイドのおじさん)を借りて洞窟内に入ります。
内部にも無数の棺桶と骸骨が並んでいました。写真のものは48年前に亡くなった方だそうです。棺桶の蓋がおちて顔(?)がのぞいていました。タバコとお金(200ルピアくらいの小銭)は、お参りにきた家族が置いていくようです。


(3) Kete Kesu
こちらはケテケス。ランテパオ近辺では一番整備されていたという印象です。土産物屋さんも多い。トンコナンハウスは他の集落にくらべ大きくて立派でした。
裏手のお墓。舟形の棺桶もありました。キリスト教の影響を受ける前は舟形が人気モデルだったそうな。


(4) Palawa


またまた看板を目印にペテペテを降り、歩くこと10分弱。
トンコナンハウスです。手前の家はこれでもかと言わんばかりに水牛の角を飾っています。あくなき水牛リスペクト、頭がさがります。



▼水牛市場
 Rantepaoの北東側、車で10分ほどの距離にボルBoluという町があり、ボルの市場では6日ごとに水牛市が開かれます。

売っているのは水牛に限らず、タナトラジャ近郊から野菜、果物、魚、豚、日用雑貨などいろいろなものが集まっていました。ジャワではあまり見かけなかったタマレラ(列手前中央、マンゴスチンの右)も発見。


こちらは闘鶏用の鶏です。アメリカからきた鶏だと1万円くらいするのもあるようです。強そうです。

そして一面の水牛。アルビノのような、でも目の青い白色の水牛、それと白黒ぶちの水牛が比較的多かったです。黒い水牛より高い。
こちらは豚小屋。運ばれているところを見ると、なんとも豚らしい。
ガソリン、ではなく、Ballok(Ballo, Ballo')と呼ばれるパームワインです。アルコール度数は3%前後、微発泡で酸味がありました。
コウモリ、食用です。どんな味がするんだろう?


▼トラジャコーヒー
 トラジャといえば、お葬式だけでなくコーヒーも有名です。ただアラビカ種で質の良いものは独自の流通ルートへまわされるらしく、市場で売っているものの大半はロブスタ種でした。
 挽いた豆に直接お湯をそそぎ、上澄みを飲むのが長く親しまれている飲み方です。フィルターをつかっているところはあまりありませんでした。何か所かで頼んでみましたが、あまり香りがよいものに出会えずカフェインだけ大量摂取することになりました。


▼風景いろいろ


Batutumoga近くの棚田。
Palawa周辺を散歩中にぱしゃり

トンコナンハウス、儀礼やお墓も結構ですが、トラジャが観光地としての地位を確立できたのは空の青さと空気の澄みぐあいも大きいと思います。


@Jogjakarta, Indonesia

2014年6月22日日曜日

タナトラジャ(2014年6月7日〜14日)②

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▼儀礼
お葬式Rambu Soloに2回、新築お祝いのRambu Tukaに1回参加しました。

(1) Rambu Soloその1
 2014年6月7日、ソパイ区ランゴラ村にて
 到着即日参加したお葬式。全3日のうちの最終日に参加しました。無くなったのは貴族のおじいちゃん、宗教はカトリックです。
  会場。葬式の際はお客さん用に建物を増築し、式が終わればとりはらいます。

パピオンなる料理。竹の中に肉と葉っぱを塩でもんだものを詰めて焼きます。味はシンプルでした。

おもむろに並べてある水牛の角。子供が遊んでいました。

お昼ごはん。上のほうに写っているのは、カナダ人の女の子たち。外国人観光客もしょっちゅう参列しています。

食事、礼拝を終えてから、埋葬へ。葬列の先導の少年達

踊ったり嘆き悲しんだり泣き叫んだりしたのち、お墓へ向かいます。小さい家のようなものは棺桶を運ぶための道具。このセットで40万円ぐらいかかっていると参列者のおじさんが言っていました。

棺桶をお墓まで持ってきたところ。嘆き悲しんでいた人たちも、最後には水をかけあってはしゃいでいました。最後まで涙ぐんでいる遺族もいます。お墓は近代的な家族墓だそう。Selamat Jalan!

(2) Rambu Solo その2
 2014年6月11日、ノノガン区カウトゥワン村にて
 お葬式2回目は全4日のうちの初日、プロテスタント式です。

この豚は参列者からの贈り物。贈り物の半分は家族へ、半分は参列者のおもてなしのために調理されます。
 ゲストは列をなして入場します。
 Ma' Badongという踊り。いわく「男たちは泣いて悲しむことをしらないから、この踊りで悲しみを表現するのだ」
ホスト側でお出迎えをしているのは、亡くなった方のお孫さんたち。伝統衣装に身を包んでいました。青い服の女性たちは給仕の担当です。

手前はこれからおろされる豚、奥はすでに殺して一部内臓をとりのぞいてある豚です。焼いています。これは男性のお仕事。残酷だという方もいらっしゃるかと思うのですが、個人的には気持ち悪さは感じませんでした。次々に運ばれてきて、手際よく処理されていくので関心して見ていました。

この日はゲストがつぎつぎときて、つぎつぎと料理をだして、の繰り返し。何周か見てから帰りました。


(3) Rambu Tuka
 2014年6月9日、サダン区カロナガン村にて
  Rambu Soloがお葬式、死の儀礼なのに対して、Rambu Tukaは生の儀礼です。誕生や結婚などのお祝いもRambu Tukaに含まれるようですが、参加したのはトンコナンハウスの新築祝いでした。全4日のうちの2日目。


会場


これが新築の家ですが、どうもあまり新しくない。築20年ぐらい経っているそうで、ただお祝いするのにちょうど良いタイミングがめぐってこなかったため、この時まで延期されていたようです。

  定番のごはんタイム。子供がビール瓶をまめに集めていました。えらい。

 大人たちは食べて飲んでタバコをふかして、世間話をしています。タナトラジャのあちこちで、このおじさんみたいなゆるゆるのサロンの着方をしている人がいます。くるまれたいんだろうか。


 ごはんタイムが終わって、ダンスが始まりました。人がわらわらと集まってきます。伝統衣装に身をつつんだ女性たちが盆踊りのようにぐるぐると踊り始め、

観ている人がお金の飾りをさしていきます。露骨に現金なのでびっくりしました。しかも高額紙幣。いろいろといかがわしい連想をしてしまいますが、これは家の豊かさを表すためのものだそうです。豊かさ、です。

 子供であろうとお金をつけます。


 なかなかユニークでした。
何種類か踊りがあり、お客さんが帰り始めてから男達の盆踊りがあっておしまいです。
まだ数日つづくセレモニーでしたがここで引き上げ。

ハッピーなセレモニーだよ〜楽しいよ〜と聞いていたのですが、途中からは踊り手のおばあちゃん達が涙ぐんでいました。彼女らが幼かった頃にもやはり同じような式があり、歌と踊りがあり、家の歴史を思い出してのことのようです。
どこの国でも農業やってる田舎暮らしというのは単調なものに見えますが、そこでおばあちゃん達が過ごしてきた年月の重みというのを想像してみて、ちょっともらい泣きしそうになります。
人間だなぁ。

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